JFEなど3社、製鉄の副生ガスから化学原料を製造──水島で炭素循環の実証を開始

JFEスチール、三菱ガス化学、三菱ケミカルは10月22日、
岡山県倉敷市の水島コンビナートで、
製鉄プロセスの副生ガスからメタノールをつくり、
さらにプロピレンへ変えるサプライチェーンの実証を
2026年9月に開始したと発表した。
異なる産業の設備をつなぎ、炭素を化学原料として利用する取り組みだ。

今回の実証──製鉄、メタノール、プロピレンの製造をつなぐ

今回の実証は、3社が2025年3月に公表した計画に基づくものだ。
JFEスチールが製鉄プロセスから発生する副生ガスを供給し、
三菱ガス化学が水島工場に新設した実証プラントで
メタノールを製造する。
三菱ケミカルは、そのメタノールを原料に、
既設の実証設備(DTPプロセス)を使ってプロピレンを製造する。
DTPは日揮グローバルの登録商標だ。

三菱ガス化学は、メタノールを介して炭素を循環させる
プラットフォームを「Carbopath」として推進している。
水島の新設備は、この取り組みでメタノール製造を担う設備となる。

確認したこと──年産100トン規模で、従来品と同等の品質

三菱ガス化学によると、9月からの運転では、
製鉄プロセスの副生ガスを水素と直接反応させ、
年産100トン規模で従来品と同等の品質のメタノールを
製造できることを確認した。
今後は運転データを蓄積し、商業規模の設備への応用につなげる。

同社は、メタノールについて、多様な原料から製造でき、
幅広い用途で使われる基礎的な物質だと説明している。
ナフサに依存する基礎化学品のサプライチェーンを補完するとともに、
次世代燃料としての役割も期待している。

設備の特徴──移設と遠隔支援を想定した実証プラント

新設備は、移設可能なモバイルプラントとして設計・建設された。
将来は国内各地に移し、多様な原料を使う製造実証や、
メタノールの利用先まで含めたサプライチェーンの実証に
活用することを想定している。

移設先での運転に向け、自動起動・停止機能も実装した。
さらに、新潟工場に設けた遠隔技術支援室から、
設備の監視と運転支援を行う。
同社は、この体制で現場運転の省力化を図り、
将来は自社のメタノール製造プロセスを採用する顧客向けにも
遠隔支援を展開する計画だ。

この設備は、経済産業省資源エネルギー庁の補助事業に、
2024・2025・2026年度の各年度で採択され、支援を受けている。
倉敷市の設備投資促進奨励金の認定も受けており、
今後2年間にわたり支援を受ける予定だ。

今後──経済性を検証し、地域内の連携を広げる

3社は実証を継続し、経済性を検証しながら、
事業化に向けた課題の抽出と検討を進める。
また、地域全体のカーボンニュートラルの実現に向け、
水島コンビナート内のほかの企業との連携拡大も検討する。
今回は実証の開始と製造状況の発表であり、
商業規模での事業化を決定したものではない。

LC Signalの視点──原料をつくる設備と、使う設備をつなぐ

水島では、副生ガスの供給からメタノール、
プロピレンの製造までを、3社の設備でつないでいる。
さらに移設可能な設備を用意することで、
別の地域でも原料と利用先の組み合わせを試す計画だ。
製造できることを確認した先で、
経済性を含めて供給の仕組みが成り立つかを確かめる段階に進んでいる。


主要情報源

本記事は2026年10月23日時点の公開情報に基づき、AIを活用して作成しています。
発表日は公式ページの日付表記に従っています。
実証で確認した内容と、商業規模への応用や他地域への展開計画を区別して記載しています。
「LC Signalの視点」は、公開情報を踏まえた本メディアの考察です。

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