日本原子力研究開発機構は10月16日、
トンネルに流れ込む地下水が自然に減る速度を予測する手法を、
北海道の幌延深地層研究センターの地下500mで実証したと発表した。
大成建設との研究による成果で、
湧水対策の必要性を判断するために活用した。
従来の課題──地下水を止める工事には時間と費用がかかる
トンネル内に流れ込む地下水を「湧水」と呼ぶ。
代表的な対策のグラウチングは、
岩盤にセメントなどを圧入して水の通り道を塞ぐ工法だ。
発表によると、数か月の工期や多額の費用を要する。
地下深くでは高い注入圧力が必要となり、安全上のリスクも高まるという。
一方、湧水は自然に減ることもある。
その減少速度を事前に予測できれば、
湧水対策が必要かどうかを判断できる可能性がある。
何が変わるのか──湧水量の観測から推定し、透水試験を省略する
新手法は、掘削予定地のボーリング孔から出る水量の変化を観測し、
地下水の通り道のつながり方と、湧水の自然減少速度を推定する。
従来、つながり方の推定には「透水試験」を行っていたが、
時間と費用がかかり、すべてのトンネルに適用するのは現実的ではなかった。
新手法では湧水量の変化から推定するため、この透水試験を省略できる。
地下500mでは、掘削後の湧水量が1日後に初期の約10分の1、
10日後に約100分の1になると予測した。
これを踏まえて湧水対策を省略し、
実際の掘削でも大量の湧水が発生することなく工事を完了した。
対照的に、地下350mでは100日後でも初期の約10分の1にしか減らないと予測し、
湧水点を通らないようトンネルの配置を変更した。
対策を一律に省く技術ではなく、現場ごとに施工方法を判断するための手法だ。
今後の応用──地層処分や地下備蓄の工事にも期待
実証では、ボーリング孔の湧水量を10日以上観測した。
原子力機構は、観測した自然減少速度の傾向がほぼ一定だったことから、
数日程度のデータでも予測できるとしている。
掘削とほぼ並行して、湧水対策の要否を判断する使い方を見込む。
通常のトンネル工事のほか、高レベル放射性廃棄物の地層処分や、
石油の地下備蓄など、大深度の地下空間を利用する工事への応用が期待されている。
LC Signalの視点──対策を加える前に、必要性を見極める
地下500mでは対策を省略し、地下350mでは掘削ルートを変更した。
同じ研究施設でも、予測に応じて異なる施工判断につなげた点が具体的だ。
水を止める工事だけでなく、調査にかかる手間も減らせれば、
必要な対策に時間と費用を振り向けやすくなりそうだ。
主要情報源
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日本原子力研究開発機構公式発表(2026年10月16日):
深度500mトンネルでの湧水量変化をリアルタイム予測
―地下深部の掘削工事 効率性と安全性の向上に貢献―
本記事は2026年10月17日時点の公開情報に基づき、AIを活用して作成しています。
発表日は公式ページの日付表記に従っています。
湧水量の予測値と実際の施工結果、観測期間の実績と今後の適用見通しを区別して記載しています。
「LC Signalの視点」は、公開情報を踏まえた本メディアの考察です。